89:宿泊者の記憶 / 池波正太郎
池波正太郎は、度々当ホテルに宿泊し、その時の様子が「よい匂いのする一夜」に綴られています。
時代の変化を憂い、「日本の良き時代を偲ばせるホテルが、戦後つぎつぎに消えてゆく(本文から)」中で、
「日光の金谷ホテルの存在は奇跡といってよいだろう。」
と評しています。
また、食通で知られる氏は夕食で
・虹鱒のホテル風
・豚のバラ肉の蒸し焼き
・カニのピラフ
を食べたと書かれており、翌日の朝食には
・スパニッシュ・オムレツ
を食べたとあります。
夕食は「良き時代の日本の洋食」であるとし、朝食は「良かった」「朝食の醍醐味」と評しています。
ちなみに、同書の同章の最後には
「私は、駅前のみやげ物屋へ行き、トウガラシの紫蘇巻を買った。
日光のみやげの中で、私は、これがいちばん好きだ。」
と書かれています。
現在も置かれているロビーのレターデスク前には、池波正太郎も座ったかもしれません。
【関連項目】
59:宿泊者の記憶 / アインシュタイン
宿泊者の記憶 / アインシュタイン
67:金谷スタイル
金谷スタイル
23:レターデスク
レターデスク