77:久米権九郎と久米式

当ホテルの別館は、久米設計の創立者である久米権九郎によるものです。構想は眞一の弟の山口正造(箱根富士屋ホテル三代目社長)のものだったようです。

権九郎は、当初化学を学んでいましたが、留学中に関東大震災により兄を亡くします。その後、建築を志し久米式を編み出すことになります。
こうした経緯から、権九郎は人命尊重を最重要事項と考え、建築は頑丈、丈夫であることを旨としていたとのこと。
久米式は、正式には「久米式耐震木構造」と呼ばれ、現代のツーバイフォーのように、細い一定サイズの板材を用いて壁面を構成し、それによって構造体を形づくるもので、籠のような構造になっています。
鳥籠に例えられることもあるようです。
現在、国内で久米式を用いた建築の現存が確認されているのは当ホテルのほか、軽井沢万平ホテルと神奈川県逗子市の旧本多家住宅の3軒とのことです。

別館は、今年7月に「別館ROYAL HOUSE」としてリニューアル・オープンいたしましたが、久米式の構造に守られ、そうした当初の“思い”も引き継がれた空間になっております。

【別館ROYAL HOUSEについて。ご予約はこちらから。】
https://www.kanayahotel.co.jp/nkh/news/7/