67:金谷スタイル

明治時代から受け継がれる看板メニューが「日光虹鱒のソテー 金谷風」です。

二代目料理長の渡部信太郎(初代料理長の渡部朝太郎の息子)が、日光産の虹鱒を日本酒でフランベし、バター、醤油、砂糖でつくったソースを合わせて、和風ムニエルに仕上げました。フランベとソースの調合は川魚特有の匂いを消すための工夫だったと言われています。
醤油を使った洋食メニューは当時の「発明」に近いもので、以降このような味付けは「金谷風」や「金谷スタイル」と呼ばれるようになりました。

池波正太郎の「よい匂いのする一夜」では、金谷ホテルを訪れた時のことがこのように綴られています。

私たちは、古風な格天井の下の、落ち着いた食堂へ入って、先ず〔虹鱒のホテル風〕を食べた。
外国人と日本人の両方の舌に合わせたソースの味わいは、まさに、よき時代の日本の洋食である。



「日光虹鱒のソテー 金谷風」はメインダイニングのランチ/ディナーにてお召し上がりいただけます。
https://www.kanayahotel.co.jp/nkh/restaurant/dining/

【関連項目】
34:渡部親方
渡部親方

44:大正コロケット
大正コロケット