40:電話 / 日光一番

電話、日光一番。
今から約120年前。当ホテルは、日光でいち早く電話を設置いたしました。


以降、様々な“情報”と“声”を繋いで現在までサービスの要の一つとなっております。

この番号は、現在の当ホテルの電話番号(0288-54-0001)に引き継がれています。

「知られざる日光」という書籍の中にこんな記述がありましたので、引用してご紹介します。



日光郵便電信局に設置された交換台が始動したのは明治三十五年九月十七日。
東京ー横浜間で国内初の電話が設置されて十二年後のこと。この時加入していたのは十九回線で、電話番号の一番が金谷ホテル。以下、小西旅館、日光ホテル、古橋旅館と続き、旅館やホテルが若い番号を独占した。
この年、葉山や箱根湯本、鎌倉などでも相次いで交換業務がスタートしている。日光で交換業務が始まったのも、この地が各国の外交官や政財界人の避暑地として脚光を浴びていたためのようだ。
とはいえ、加入業者集めは容易ではなかったらしい。
「日本電信電話百年史」によると、地方都市に設置された電話は「特設電話」と呼ばれ、電話線を敷設する工事費や材料費は加入者の負担だった。さらに、「電話は伝染病を広める」といううわさまで流れ、日光でも当初用意していた五十回線がなかなか埋まらず、局員は加入を渋る客たちを説得して歩いたという。

「知られざる日光」読売新聞社宇都宮支局・編