141:メインダイニングの柱の構造と装飾

本館2階のメインダイニングは、広々とした空間に並ぶ柱の装飾が特徴的です。

中でも柱頭の装飾がひときわ目を引きます。宮大工の仕事と思われますが、柱全体のフォルムは西洋の古典建築の様式「オーダー」を用いたもののように見えます。
日本の近代化(近代建築)の過程で、西洋の様式が取り入れられた様がここに見て取れ、更に、西洋のオーダーでも装飾が施される柱頭部分に、金谷の場合は職人による「木」の仕事で和のモチーフが施されています。
ここにも和洋折衷が現れた面白い事例と言えます。
創業者の金谷善一郎は、当時の日光ブランドを支える職人たちの拠り所ともなった「鍾美館(しょうびかん)」を支援したり、「日光美術館」の運営を託されたりと、日光周辺の職人たちを庇護したことでも知られ、この柱はその成果の一つかもしれません。
館内の装飾は、美術館さながらです。
また、これらの柱は、いずれも木造の柱本体を覆う形で装飾がされているのも特徴的です。
装飾部分の縦の継ぎ目がそれを表しています。

メインダイニングに並ぶ柱をよく見ると、当初の空間(オリジナル部分)と増築部分で柱の特徴が大きく異なりますが、それはどんな部分でしょうか。
是非、探してみてください。

https://www.kanayahotel.co.jp/nkh/restaurant/dining/


【関連項目】
135:三猿の彫刻
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117:十二支の彫刻
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101:眠り猫(2匹目)
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96:日光彫のテーブル
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90:葵の紋入りの擬宝珠ランプ
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85:別館入り口の彫刻
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60:想像の象
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36:日光彫の衝立
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21:眠り猫(1匹目)
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