133:ブーツ
日光金谷ホテル本館に「ブーツ」と呼ばれている場所があります。
今でも壁にブリキ製の道具がかけられていて、ジョウロには「ブーツ」と書いてあります。
ブーツにあるよ、と言われれば、あ、ブーツね、とスタッフ全員がブーツを認識していますが、「ブーツってどういう意味」と聞かれるときちんと答えられる人はいません。
雇用の記録を見てみると「ブーツ」という職種があったことが分かります。ブーツは場所の名前ではなく、ブーツ担当者の仕事場だったことがわかります。
で、「ブーツ」というお仕事ですが、靴磨き、と思われます。
今でもホテルにはシューポリッシャーが用意されていますし、ホテルによっては実際靴磨きできるところもあります。
最後に「ブーツ」として雇用されているのは昭和30年代後半。金谷ホテルはリゾートホテルなので、現在は厳しいドレスコードもなく、靴磨きの仕事は時代とともになくなってしまったのでしょう。
ブーツ担当者は靴磨き以外にも清掃等担当していました。 現在ブーツに残るこれらのブリキ製の道具は、確かにブーツさんたちが金谷にいたことを教えてくれます。