131:宿泊者の記憶 / フランク・ロイド・ライト
フランク・ロイド・ライトは建築家で、近代建築において大きな功績を残しました。
日本では帝国ホテルの設計者として有名ですが、プロジェクトを通して優れた日本人建築家を多く輩出し日本の建築に大きな影響を与えました。
そして、なんと現在ではアメリカに残した8つの建築が世界文化遺産にも登録されています。
また、ライトは浮世絵の蒐集家としても知られ、日本の文化にも通じていました。
帝国ホテルは、金谷眞一が取締役に就任して経営を手伝うことになりますが、その帝国ホテルのプロジェクトより前の1905年(明治38年)、ライトは初めての海外旅行先に日本を選び、この時に金谷ホテルにも宿泊しています。
東照宮にも足を運んでいるほか、この来日では、京都の金閣や平等院鳳凰堂の修復現場も訪れており、日本文化の「絢爛豪華」「鮮やか」な部分に関心が深かったことが窺えます。同様に、浮世絵の蒐集にもその趣味が窺えるとのこと。
近年まで、当ホテルと同地区内に立地するJR日光駅舎の設計者もライトかもしれないと地元では囁かれてきました。金谷ホテルに宿泊していることもその理由の一つとされていましたが、これは当時の鉄道院の技師によるものと判明し、噂は正しい情報ではありませんでした。
金谷ホテルでは、デイサイト(バー)やフロント周りなどを中心にライトを思わせる大谷石の意匠が多く残りますが、本人のデザインかどうかは不明です。
ただし、影響は間違いなく見て取れるものだとのことです。
このほか、ライトによるデザインの照明がいくつかの客室にございますので、建築の巨匠による時代によっても色褪せないデザインを存分に感じていただくことができます。
参考:「大谷石百選」(NPO法人大谷石研究会)
【関連項目】
9:バーの暖炉
バーの暖炉
18:フロント裏の大谷石組
フロント裏の大谷石組
122:宿泊者の記憶 / ベーデン・パウエル
宿泊者の記憶 / ベーデン・パウエル
112:宿泊者の記憶 / ルー・ゲーリッグ
宿泊者の記憶 / ルー・ゲーリッグ
100:宿泊者の記憶 / ヘレン・ケラー
宿泊者の記憶 / ヘレン・ケラー
89:宿泊者の記憶 / 池波正太郎
宿泊者の記憶 / 池波正太郎
59:宿泊者の記憶 / アインシュタイン
宿泊者の記憶 / アインシュタイン