130:バンケットホールの吊り床構造
新館の1階は「バンケットホール」となっております。
様々な催事を受け持つこの空間は、1901年(明治34年)に完成しました。
当時は「大食堂ホール」であり、現在は「バンケットホール」。
この2階には客室が10室つくられましたが、1階部分を大空間にするために、特殊な構造を採用しました。
それが、「吊り床構造」です。
屋根材から2階の床(即ち1階の天井)を鋼棒によって直接吊っており、さらに、1階の屋外部分には補強するための控え壁が設けられました。
館内のワーケーションルームにてこの鋼棒の様子の一部をご覧いただけるほか、新館の外観で並ぶ控え壁の様子がご覧いただけます。
バンケットホールの入り口に立つと、広々とした空間と和洋折衷の設えに気持ちがシャキッとするような印象も受けます。
技術の進化は、「当たり前」のものとして日常も非日常も作りあげます。
そして、結果的に後の時代の「日常」に「当たり前」のものとして溶け込んでいきます。
しかしながら、こうした当時の工夫には、空間を実現させるための大いなる熱意が見て取れます。
●ワーケーションルームについてはこちらから
https://www.kanayahotel.co.jp/workation/
【関連項目】
113:三十六歌仙の扁額
三十六歌仙の扁額
77:久米権九郎と久米式
久米権九郎と久米式
35:バンケットホールの床
バンケットホールの床