127:池の話 1

ホテルの脇を流れる大谷川の岸に小さな池があります。ここもまた金谷ホテルの歴史を語れる場所なのです。

以前メニューに「クレソンサラダ」がありました。

クレソンは明治期に外国人が日本に持ち込んだそう。ここが金谷ホテルらしいところなのですが、
クレソンをこの池で栽培しお料理に使用していました。
日光連山の伏流水が流れる日光は、クレソンの生育に適していました。春先から花芽が出始める梅雨時期まではホテルメイドのクレソンがお料理に添えられました。
なんと中禅寺金谷ホテルでも、平成初頭まで敷地内の沢の流れを利用し、クレソンと山葵を栽培していたそうです。

時代が進み、日光の池は鹿の害を受けクレソン栽培は終わり、中禅寺は現在の建物への建て替えの際、沢を埋め立て、ホテルメイドのクレソンを食べることはできなくなりました。
 

クレソンサラダビーツ添え
池の跡地